雨恋い

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『告白は確認作業』  曰く、唐突な告白など相手からすれば怖いだけ。  最初はグループで遊んで、二人で食事にいって、連絡する頻度を増やし、一緒にいる時間を徐々に徐々に。  そうして了承を貰えるだけの十分な関係性を構築してから、重すぎない程度のプレゼントを用意した上で、では、いいですか?はい、いいですよ。  それが告白。  故に、確認作業。  本当に、こればっかりは金言だと思う。  何度も失敗をして、何度も何度も悲しい思いをして、少しずつ学ぶ。とかく男などというものは、余程手酷い目に遭わなければ理解出来ない生物なのだから。  数多くの恥を重ね、今、 「本気になっても、いいかな?」 小高い丘の上、屋根の付いた休憩所。  街を見下ろしながら、夕焼けに照らされている。 「……ふふっ、じゃあ今までは本気じゃなかったってこと?」  もちろん最初から本気も本気であるし、そう返されるのも折り込み済み。 「だって……こんなに可愛い子に彼氏がいないはずないって思ってたから」  何となく、すぐチュキチュキ言うよりは一つ褒められる分いいのかなってだけ。  本当に、正解なんて今だに分からない。 「私、遊んだりなんてしないよ?」  彼女の方こそ、全て分かった上でからかっているのだろう。やはり確認作業なのだ。 「うん、でもダメならオレ多分立ち直れないから」 「あはは、じゃあ超大事だ」  つまりここでのやり取りは実は恋愛において余り重要な部分ではない。 「そう……大事、なんだ」  しかしながら、例えば婚姻に至る様な縁と相成った場合、話は違ってくる。  親父は、土下座してまでお袋を口説いたという。 『犬っころと同じだ、順位付けって、な?頭なんか下げてみろ、一生言われるぞ』  どっちが先に惚れたのか。  どっちが選ぶ側だったのか。  どっちが上の立場なのか。  ヒトの群れにおける順列に、性差はない。  故に。  上からでも下からでもなく、ごくごくシンプルに、 「好き。オレとつきあって」 もうこれがベストだろう。 「……えー、んっふっふ…」  こんな場所までついて来てくれたのだ。当然告白は受けるものと、予想はしていただろう。 「……えへへ」  それでも照れた様に、口元をほころばせる彼女の様子に胸をキュンキュンさせながらなんなんですが、 「ふひっ、あ、ごめん。何か変な声出ちゃった」 アタクシ、えー、お膀胱の方がですね。 もうパンパンになっております。
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