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「何だ、何が起きてる……!?」
息を切らせ、一階にある教員用トイレへと駆け込む。
ここまで来たら追いつけないだろうと呼吸を整え、顔を少しだけ覗かせて様子を見る。……何故か先ほどよりも人が増えていた。それも女子生徒から教師までも。
周囲を見渡している様子から、僕を探しているのはわかる。だが、何で追いかけられているのかがわからない。
それに、僕の背後にいた天上明里についても謎だ。
何故彼女は、僕の影を踏もうとしていた?
もしかして彼女も、僕と同じ能力を持っているのか? ……いや、決めつけるのは尚早な気がする。
しかし、僕が逃げ出した時に彼女は男子生徒二人のように追って来なかった。となると他に能力者がいて裏で操っているのか? それは何の為に?
駄目だ。状況が錯綜としすぎて判別がつかない。
「とは言え、ここでじっとしている訳にもいかないよな……」
このまま隠れていては事実を確認する事はできない。とにかくここから動いて、事実を確認する必要があった。
そう判断し、廊下に人がいない事を確認してから動き始めようとする、そのタイミングで。
校内放送を知らせるチャイムが鳴り響いた。
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