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時間帯からして、まだ部活動をしている生徒もいれば、職員室に残り仕事をしている教師もいるだろう。
とは言え、放課後のこの時間に校内放送というのは珍しい……というより、違和感を感じる。
そしてその違和感は的中し、声を聞いた瞬間、僕の脳は僅かに痺れるような感覚に陥った。
【聞こえますか? 暗井景文くん】
「……天上、明里?」
天上明里が、僕の名前を呼ぶ。
まさかこんな形で呼ばれるとは思ってもみなかったが、そんな事よりも。
「……何をしようとしているんだ、彼女は?」
僕の声は、放送室にいるであろう彼女に届かない。
それでも確認したい事が多くて、無駄だとわかっていても声を出さずにはいられなかった。
けど、これでハッキリした。やはり彼女も僕と同じ能力者で、それも僕以上に厄介な、範囲の広い「掌握系」の力を有している。
先ほど僕を追いかけてきた男子生徒や、その他生徒や教師も、恐らくは彼女の掌握下。
高橋さんの件についても、天上明里の力によって上書きされ、僕の能力が解除されたのだろう。
そう考えると、彼女の能力はあまりにもチートが過ぎないか? 僕は掌握出来て一人、二人程度だぞ?
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