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戦慄する僕を他所に、彼女は淡々とした口調で語り始める。
【多くの生徒や教師に追いかけられ、挙げ句私に影を踏まれそうになっている事からお気付きとは思いますが……私はあなたと同じく、普通ではありません】
「……そうだろうな」
あなたと同じく、か。という事は彼女はもう気付いていたのか。僕の能力にも、そして僕が彼女に、
【普通じゃ無いと気付いたのは最近ですけど……まぁそれでもあれだけ影を踏もうとすれば流石におかしいとは思いますよ? 因みにさっき影を踏もうとしたのは仕返しです】
「うぐっ……」
──近づこうとしていた事にも。出来ればそこは気付かないでいて欲しかったが、そりゃバレるよなって言動ばかりだったし、仕方ない。
とは言え、彼女が僕の狙いに気付いたとして、何故彼女は能力を使って僕を追い詰めたんだ?
影を踏もうとしたのは仕返しと言うけど、その割には大人しく引き下がったし。
僕と同じく影踏みで掌握下に置くなら、何で踏み込まなかった?
そんな事を考えていると、彼女は軽く息を吸い込み、決心した様子で言葉を続ける。
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