【カゲフミ】

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 それから数分後。廊下から足音が聞こえてくる。    足音は複数。命じた通り、高橋さんが天上明里(テンジョウアカリ)を連れてきてくれたのだろう。    僕は高鳴る心臓を抑え、教室の扉の前……ではなく、扉の正面から死角となる場所で待機する。  なに、難しい事じゃない。扉が開かれて天上明里が入ってきたタイミングで()()()()()()()|。  どくどくと脈打つ鼓動と、刻まれる時計の音。どちらも僕の心境を表しているようで、焦燥感が際立ってくる。  こんな事を、一体何度繰り返してきたのだろう。  もう覚えていないし、その問いに対する答えを持ち合わせていない僕は、今日に至るまで何度も思い悩んできた。  けど、そんな毎日もこれで終わりだ。
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