Kiwiが教えてくれたコト

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Kiwiが教えてくれたコト

 気分が沈んだ時に私の救いになるのは、佐々木課長だけだった。  この日もそこそこのミスがあって、疲れ果てた顔で席に座っていたのだけど、ふと気配がしたと思えば横に佐々木課長が立っていた。 「柏木さん、またちょっと暗い雰囲気になってるね笑」 「すみません。昼に発覚した例の誤発注なんですけど、各所に頭を下げて手配して、今、やっと落ち着いたところなんですよ。もう、どっと疲れたって言うか・・・」 「アレ、やっと終わったんだね。お疲れ様」 「本当にすみませんでした。・・・でも、社内の目も色々と突き刺さる感じがして、皆さんに悪いことしたんだなって言うか」 「社内の目?」 「皆さんの仕事も増やしちゃって、良くは思ってないだろうなと・・・」 「ああ、そういうことね。みんなに迷惑をかけちゃったのかもしれないってことね」 「はい・・・」  私が落ち込んだ時、佐々木課長はアドバイスをしたり、忠告したり、自分の考えを述べたりはしない。ただ、聞くだけに徹するのだが、それだけでなぜか、私の気持ちはすっと落ち着く。  何と言えばいいのか分からないんだけど、佐々木課長と話すことで自分の気持ちを客観視できるようになり、自分の気持ちに向き合えるようになる、そんな感じだ。  日頃から佐々木課長の癒しの力を不思議に感じていた私は、思い切ってそのことを聞いてみることにした。 「あの、佐々木課長・・・」 「ん?どうしたの?」 「佐々木課長って、どうしてそんなに癒しの能力が高いんですか?」
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