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「だがね、鬼はデリケートで、自分の場がないと、勃つ事ができない」
「人には、指南しておいてですか?」
しかし、鬼は場所を選ぶらしい。
「朽木など、どこでもしていますよ」
見てはいないが、そう確信できる。
「それは、温血の強みだ。でも、鬼の血が強いから…………自分の場に、他の者を入れない傾向があるだろう?」
「…………あります」
だから鬼は、どうにか自分の場に、人を連れ込もうとするらしい。
「鬼を追いかけさせる?」
「それが、隠れ鬼。人が鬼を追い掛け、場に入り込む。入り込んだ人を、今度は鬼が捕まえる」
そして、最初に戻るが、朽木達は鬼だったので影響が無かったが、匠深は人に近く、隠れ鬼というゲームが適用になってしまった。
「匠深は、鬼を追い掛けて、この神社にやってきた。そこで、場が展開された」
「神社も鍵だった…………」
神社は朽ちていたのではなく、場を封印する為に壊されていたものだったらしい。それを、朽木達が夏休みの工作で復元してしまった。
「その神社の鍵は、匠深と融合した」
匠深は、朽ちた神社の真相を知っていた。そして、どうしても、鬼に近付かなくてはならなかった。
「鬼は、嫁を自分よりも先に死なせない…………雌が怖いからだけどね。でも、それは絶対」
人間が鬼の嫁になる方法がある。
「隠れ鬼で鬼に勝つと、鬼はその者を生涯守る。匠深は、面を見つける事で、鬼に勝とうとした」
「その…………面というのは何ですか?」
すると、金太郎にも面というものが分からないという。
「奉納する天狗の面は、床下に大量にある。でも、あの封印されていた能面?怖い面だな、それは気を塞いでいたものだった。物凄く、強い面」
だが金太郎は、面は分からないが、匠深と融合してしまった事は知っていた。
「一説によると、あの能面は、元は鬼だった」
しかし、それ以上の事は、金太郎もよくは知らなかった。
「ゲームは、匠深の勝ちで終わったのでしょうか?」
面は何だかわからないが、それは勝ちだったのだろうか。
「終わり???ゲームは終わっても、又始まる。鬼を捕まえたら、鬼になる。そういうもの…………」
「匠深が鬼になった?」
そこで、金太郎が少し唸っていた。
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