第二十四章 夜に沈む森 四

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「そうだね…………でも、あっちは、俺達の事をもっと、ホロクソに言うけどね…………」  そもそも、雄が弱いので、かなり馬鹿にされてしまうらしい。 「鬼は、人間界から精を吸い上げている?そして、この場で汲み上げていた。あの面は何だったのでしょう?本当に、その精の鬼ですか?」 「所説あって、鬼でも本当の事が分からなくなっている。あの穴こそが、重要な場という者もいるし…………まあ、そこにウサギが住み始めたけどね。現在は、蓋をしないと気が渦になって溢れてくるし……隠されていた、その面というのも、実物を見た者は限りなく少ない……」  だが、天狗の面と埋まっていた面は、セットで使用するものだったという説も有力だった。 「結局、分からない」 「でも、匠深と面が融合してしまったという事は分かってきた」  そして、そこにも事情があった。 「そうだな。匠深君は知っていたのかもしれないな…………」  そもそも、匠深は人間の体に鬼の影響を受けてしまったので、あちこちが不調に陥ってしまった。それなのに、鬼の場に来て、健康になっているというのは、どういう事なのだろう。
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