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立哉は、判断するには、まだ情報量が少ないという。俺もそう思うが、この存在を許していいのか、竜王として悩むのだ。
「界に寄生する場とも感じる」
「寄生は排除ですか?」
立哉も小声になっていた。
「善玉菌とは共存したいだろう…………」
「今度は菌ですか……」
俺は酒を飲んでいる立哉に乗り、窓から外を眺めてしまった。
ここは、俺の住んでいる界ではなく、付随したどこかだ。しかも、人から精を搾取して、ここの生命は糧にしている。
それが界にとって良い事なのかといえば、界を弱らせる原因にもなっている。だからといって、この場を簡単に排除は出来ない。
「…………ここは何だ?」
「俺の上で、溜息をつかないでください」
俺が外を見ていると、普通の人間が横切って行った。その人間を目で追っていると、先導して歩いている鬼と、小部屋に入って行った。
「あれ、鬼ではない」
すると、朽木も姿を確認し、ゲームで借金が嵩んでいる男だと言った。
「ああ、ゲームから抜け出せなくなると、ここに辿り着く者がいる」
鬼がいる、追いかける者がいる。そういう単純なゲームなのだが、人数を増やし、金を懸ける事によって、そこに真剣以上の何かが生まれる。そして、その欲と精が、ゲームの中盤で、鬼の場を形成する。その場が、ここに繋がる事があるという。
「鳥居を潜ってやってくる。彼等は欲を持っているが、それを吸収できていない」
金太郎は、横目で部屋を確認すると、苦そうに酒を飲んでいた。
「ここに連れ込まれたという事は、ここでポンプになるという事?」
「そうだな…………どちらかというと、シリンダー……」
金太郎は、困ったように目を閉じると、暫し項垂れていた。そして、何度か首を傾げると、壁を叩いた。
すると、ただの壁であったのに、そこには映像が映っていた。
「凄い、大画面だ」
どういう仕組みになっているのだろう。
壁に移っているのは、どこかの部屋で、窓から見えている景色が、この場所と類似していた。そして、部屋の中央には布団が敷かれていて、そこに先ほど横切って行った男がいた。
「布団は必要?」
「体操の時にも、マットが必要だろう?」
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