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しかし、中央に布団があるという事は、これからここでするという事ではないだろうか。男は分かっていないようで、服を着たまま布団に転がり、そのまま爆睡していた。
「ゲームは夜だからな……眠いのだろう……」
そして、朽木が男の素性を調べると、男は大学を卒業したばかりの会社員だった。そして、ゲームには大学時代から参加していて、借金は数百万円にもなっていた。
「どうして、そんな金額になる?」
参加費が嵩んだとしても、そんな金額にはならないだろう。
「毎回参加し続けて、数年もやっていると、そうなる」
「そんなに参加しているのか…………」
借金があるので止められなくなり、増えると分かっていても、参加し続けてしまうらしい。
そして、両備に確認してみると、この男は鈴木 正賢という名前で、一流大学を卒業していた。そして、それなりの会社に就職した。周囲からは、品行方正と言われているので、借金の事を相談出来なかったのだろう。
「むしろ、素行が悪い者のほうが、そんなに嵌らない」
「そういうものか…………」
借金は隠れ鬼の運営にしているもので、闇金などではない。だから、隠れ鬼から逃げてしまえば、借金を踏み倒す事が出来る。
この鈴木という男も、隠れ鬼から逃げようとしていたという。だから、ゲームの最中に、この場に囚われてしまった。
「ルール違反をすると、場に囚われる?」
「罰則がある。でも、実際は、それが鬼の目的で、ここに来させる」
鬼を追いかける事が正解で、鬼から逃げようとすると、場から出られなくなってしまうらしい。そして、隠れ鬼のゲームから逃げようとした鈴木は、鬼に連れられてこの場に来た。
「朽木、こうやって、鬼の場に参加者を連れて来られたら、借金の焦げ付きが残らないか?」
「それがだ、そういう場合は、保険のようなものがあって、補填される」
だから鬼殿達も、失踪者を放置してしまっていた。
「ここに来ていたのか…………」
そしてやっと、どうして失踪するのか、原因が分かったらしい。
「まあ、彼等は二重の記憶を持っている。向こうに場が形成されれば、元の姿に戻りゲームの続きを始める。その時は、ここでの記憶はない。ゲームが終わると、ここでの生活に戻る」
壁に映った画像には、眠った鈴木の服を脱がし、鬼が背を舐め始めていた。金太郎によると、この舐めるという事は重要で、鬼にとってのマーキングも兼ねているらしい。
「兼ねている?」
「そう、この子は、ストローのようなもので、元の界に繋がっている。そして、ストローを吸って、精を得る」
汲み上げろといったのは、ここに来た人から精を搾取する事らしい。
「彼等は欲と精にまみれているが、自分でそれを搾取する事は出来ない。そして、自分の糧にする事も出来ない。
「鬼はまず、人の体から染み出てくる欲を舐め、自分のものにする。人は、欲を舐めとっても、中からじわじわと滲みだしてくる。これは、鬼にとっては、最高のスイーツのようなもの」
画面に映っている鬼も、鈴木の背中を舐めて、うっとりとした表情をしていた。そして、腿や手を舐めると、ねっとりと胸を舐め上げていた。その頃には、鈴木が目を覚まして、自分が全裸である事や、舐められている現状に気付いて逃げようとしていた。
しかし、鬼の腕力からは逃げられず、そのまま舐められ続けていた。
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