20230604

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20230604

今日はバイトでした。 バイト先は一年の時からずっと同じで、通学途中の乗り換え駅から20分くらい歩いた所にある、カフェです。 メイドさんっぽいパフスリーブのミニスカートにフリフリエプロンの制服が可愛くて気に入ってるんですけど、友達には誰にも言ってないですね。 ちょっと女子女子し過ぎで、何か恥ずかしいし。 ま、多分店長の趣味なんだと思いますけど。 あ、店長って、あの店長です。 ちなみに個人経営の店なので、店員は私と店長だけ。 ……そうなんです。 バイト中は店長と二人きりなんですよね。 それって、かなりマズイって私も分かってはいるんです。 だから去年の冬、彼氏が出来たタイミングで辞めようとしたんですけど、「次の子が見つかるまでは続けて欲しい」って、懇願されてしまって。 仕方がないので、今もいます。 でも、新しい人、いつまで経っても入ってこないんですよね。 なんとなくですけど、探す気無いんじゃないかなと思っています。 って、話が長くなってしまいましたが……。 いつもはランチまでなんですけど、今日はラストまで居たので、ヘトヘト。 着替えた後、ぼんやりしていたら、店長が 「送っていくよ、どうせ同じ方向だし」 って言ってくれて。 断ろうかなとも思ったのですが、今から駅まで歩くのを考えたら、もうしんどくて。 「お願いします」 って言うと、 「店を閉めてくるから、暫く車の中で待ってて」 と、鍵を渡されました。 以前、私があげた、ご当地キャラのキーホルダーが付いていて、まだ捨ててなかったんだと、変な気分になりました。 駐車場の隅に停まっている店長の車。 また乗るなんて、思いもよらなかったけど。 助手席に座ってドアを閉めたら、以前と同じルームフレグランスの香りがして、それと一緒に去年の夏の高揚感が蘇ってきました。 息をする度にお腹の奥が熱くなって、胸の先端が期待に満ちてきているのを感じずにはいられません。 したい。 正直、そう思いました。 でも、流石にそんな訳にはいきません。 私は口の中を噛み締め、何とか熱をやり過ごしました。 暫くして、店長が来ました。 「お待たせ。じゃあ、行こうか」 「はい」 ハンドルを握る店長をまじまじと見てしまいました。 分厚い唇にしゃくれて割れた顎、大きな鼻、細い目。 ハンドルを握る、太くて毛むくじゃらの指。 はっきり言って、キモいです。 でも、この不器用そうな指で体中を弄られたい。 分厚い唇を私の恥ずかしい色んな所に押し当てて欲しい。 もう、気が狂いそうなくらい、店長を欲していました。 でも……。 私には今、大切な彼氏がいます。 だから、一時の欲望に流される訳にはいかないんです。 家に着くまでの小一時間。 私は色を滲ませないよう、細心の注意を払い、店長と当たり障りのない会話を続けました。 そして、いつも迎えに来て貰っていた公民館の前に着きました。 何とか無事に帰れた。 私は心底ホッとしました。 「ありがとうございました」 車を降りようと、ドアに手を掛けると、 「ねぇ」 と、いきなり右手を掴まれました。 「な、何ですか」 「車に乗ってる間、ずっと欲しそうな顔してた」 そのまま腕を引っ張られ、抱きすくめられてしまいました。 「ちがっ。止めて。止めてください」 精一杯の抵抗を試みるものの、店長の体臭に私の脳は既にバグってしまっていました。 「いいよ、あげる。欲しい物、俺が全部あげる」 「いや、な、何言ってるんですかっ……んゅ」 欲しくて欲しくて堪らなかった、気持ち悪い唇を押し当てられ、口の中を舌で弄られ……。 結局、私は店長に籠絡されてしまいました。 何度も啼かされた後、意識朦朧としている私の身体を、店長はウエットティッシュで丁寧に拭ってくれました。 「また、いつでも抱いてあげる」 その言葉を無視して、私は乱れた着衣を掻き直し、車を降りました。 公民館から家まで歩いている間に、彼氏から着信があったけど、もう返事なんて出来ないくらい疲れていて、無視してしまいました。 そして、家に帰って速攻、誰とも口を利かずに、着ていたものを洗濯機に放り込み、お風呂に飛び込みました。 もう、私、最低。 色々最低。 あまりの罪悪感に私は湯船に浸かって泣き続けました。
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