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20230605
私は情けない気持ちで一杯でした。
多少、強引にされたとは言え、私の身体はあの時、店長を受け入れ、悦びに満ちていたのですから。
もっと、もっと、って喘いでいたのですから。
結局、朝になっても、私のはしたない身体は昨日の余韻を忘れられずにいました。
昨日、何度も絶頂を迎えたにも関わらず、私の身体はまだ、男を求めて疼いていたのです。
何とか学校には来たものの、こんな状態では、とてもじゃないけど、授業なんてまともに受けられません。
やっぱり帰ろうかな。
そう思った時でした。
「大丈夫? 具合悪そうだけど」
隣の席の佐藤くんが耳打ちしてきました。
耳に掛かる吐息に、びくんと身体が跳ねます。
佐藤くんとは普段から、割とよく話すのですが、耳打ちなんてされたの初めてです。
もう、完全にスイッチが入ってしまいました。
「……大丈夫じゃない。もう、無理」
「えっ?」
机の下からそっと佐藤くんの手を握り締め、熱のこもった視線で誘いました。
「休み時間になったら、一緒に来て」
佐藤くんは一瞬、困惑した顔をしていましたが、暫く考えた後、私の目を見て頷いてくれました。
いつもは穏やかな優しい目をしている佐藤くんですが、その時の目は色を帯びていて、私に欲情してくれているのが、はっきりと分かりました。
まどろっこしい数分を過ごした後、私達は旧体育館の用具室の前に居ました。
誰にも見られていないことを確認し、中に入ると、内鍵を掛けました。
完全に密室となった用具室。はめ殺しの天窓が一つある以外、窓はありません。
薄明かりの中、カビ臭さの中にバスケットボールの革の匂いとか、跳び箱の独特な木の匂いがして、それが今日は妙にエロティックに感じます。
私達はもう一秒も惜しくて、積んであったマットの上に、重なり合うように倒れ込みました。
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