151人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
「俺が邪魔した。……なるほどな」
意味深な呟きにヒカリはバドルを訝しんだ。
「……なんだよ」
「いや? その通りだと思ってな。俺はお前の意思を確認せず、その場の状況だけで勝手にお前を連れ出した」
バドルは何かを思案するように黙り込んだあと口を開いた。
「俺の所為だというなら、責任を取ってやろう」
「どういう意味だよ」
「そのままの意味だ。このまま放っておいて死なれたんじゃ後味も悪いからな。俺のできる範囲で協力してやらんこともない」
ヒカリは男の真意がわからず、警戒するように身を硬くした。
「ただし一つだけ約束しろ」
バドルは言い聞かせるように、ヒカリの肩を強く掴んだ。
「協力してやる代わりに、絶対に俺の許可なしに勝手な行動に出るな。物事にはそれなりの時機というものがある」
困惑するヒカリにバドルは尚も続ける。
最初のコメントを投稿しよう!