第2話

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「……バドル」  バドルはずっと俺の傍にいてくれるの?  ヒカリはそう訊ねようと名前を呼んだけれど、結局やめた。それを訊くのが少し怖い気がした。何故なら、バドルは犯罪組織の一味だ。今まで一体どんなことをしてきたのかは知らない。だけど、それでも、一緒にいたいと思う。バドルが盗賊でも、たとえ人を殺めていたとしても、ヒカリはそれを願ってしまう。 「どうした?」  問い掛けるバドルに、ヒカリは「なんでもない」とはぐらかした。この先どれだけ共にいれるのかはわからない。けれど自分がバドルを嫌いになることはないだろうとヒカリは思う。たとえバドルが何者でも、バドルがバドルである限り、好きでいることはやめられない筈だ。  ヒカリはどこか決意にも似た予感を抱きながら、甘いバドルの香りに酔いしれるように目を閉じた。
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