第3話

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 しかし、ヒカリがそのすべてを知るのに、そう時間は掛からなかった。 「ヒカリさえ嫌じゃなければ、俺に生活の援助をさせてくれないか?」  ある夜、バドルがそう切り出した。 「いいよ、そんなの……」  ヒカリは困った顔で僅かに首を横に振る。 「遠慮なんかいらない。ヒカリの力になりたい俺のわがままだ」  バドルの申し出はヒカリを思ってのことだろうし、ヒカリが困窮しているのも事実だ。それでも金銭的に頼ってしまうのはどうしても抵抗が生じた。 「学校も行った方がいい。父上が苦労してここまで進学させてくれたんだろう?」  バドルは言い聞かせるようにヒカリの髪を撫でる。 「もし金を出されるのが嫌なら、借りるという形にすればいい。今はしっかり学業に専念して、将来きちんと仕事に就いたら少しずつ返してくれれば構わない」  ヒカリの立場になって色々考え、支えようとしてくれるバドルの気持ちがありがたかった。  王が憎いと思う。未だに父と同じ目にあわせてやりたいとも思う。だけどその目的を遂げようとすれば、ヒカリの命と引き換えだ。自分はそれでいいと思っても、父やバドルがヒカリが生きていることを望むなら、それに応えたいと思うようになった。
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