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「お前のことをずっと気にしておられた。綺麗な髪と澄んだ瞳をした青年だと、外から帰ってくるたび私に話された」
自分の暗殺を企てる人間と関わることに反対するハーシウにも、バドルはヒカリと会うことをやめようとしなかった。
「陛下はお前の境遇を気に掛け、すぐに自宅を調べさせて食べ物を手配させた」
ハーシウの言葉に、ヒカリは目を剥いた。自宅の前に置かれた木箱。あれはバドルからのものだったのだ。結局一度も口をつけられなかったことに、申し訳ない気持ちになった。
「大切にしたいのに、自分にはその資格がないのだと嘆いておられた。しかし陛下はお前という存在のお陰で決心なされたのだ。シャラフ様と真正面から向き合うことを」
もう二度と悲劇を起こさせない為に。
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