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「お辛い選択だっただろう。これからも大変なことが待ち受けている。けれどあの方には試練に耐え抜き、それを踏み越えていける力がある」
そう語るハーシウの表情から、バドルに対する信頼を感じる。それは盲信的なものではなく、自分自身も共に立ち向かっていくという覚悟が入り混じっていた。ヒカリはハーシウに向け力強く頷いた。バドルならきっと大丈夫だと心から思う。
「それにしても、あのように嬉しそうな顔をされる陛下を見たのは初めてのことだ」
それは先程のことを言っているのだとヒカリは察した。ヒカリをハーシウに託す前、バドルは散々ヒカリの傷の心配をし、しっかり処置をしてもらうように言いつけた。「わかった」と素直に答えたヒカリに、バドルは蕩けそうな笑顔をこぼして去っていった。
嬉しそうな顔だ、と語るハーシウの表情こそ嬉しそうで、ヒカリはつられるようにはにかんだ。
「礼を言おう。ありがとう」
ヒカリは恐縮し、礼を言われるようなことは何もしていないと首を振った。
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