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「バドルっ」
運ばれたのは部屋の一番奥、大の大人が五、六人は寝転べそうな大きなベッドの上だった。宝物のように大切に、そっとシーツの上におろされる。
「ヒカリ」
厳かにヒカリの名前を呼び、何かの儀式のようにその手を取り、額に押し当てた。
「大切にする。ヒカリがくれる何倍も、何十倍も愛を注ぎたい」
もう充分大切にしてくれているじゃないか。バドルの一途な気持ちに、ヒカリは涙ぐんでしまいそうになる。
「ヒカリが欲しい。どうか私を受け入れてくれ」
青い瞳が、情欲に揺らめいていた。
「あのさ……」
「ん?」
軽く問い返す声さえ甘く、頭の中がどろどろに溶けてしまいそうだった。
「この部屋中、バドルの匂いがするね」
バドルにも聞こえてるのではないかというくらい、ヒカリの心臓はずっと大きく鳴っていた。
「だから俺、この部屋に入った時からずっと、バドルに触れたいって……思ってた」
羞恥から言葉は尻すぼみになる。バドルはこくりと喉を鳴らして、ヒカリに覆い被さってきた。
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