第6話

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「バドルっ」  運ばれたのは部屋の一番奥、大の大人が五、六人は寝転べそうな大きなベッドの上だった。宝物のように大切に、そっとシーツの上におろされる。 「ヒカリ」  厳かにヒカリの名前を呼び、何かの儀式のようにその手を取り、額に押し当てた。 「大切にする。ヒカリがくれる何倍も、何十倍も愛を注ぎたい」  もう充分大切にしてくれているじゃないか。バドルの一途な気持ちに、ヒカリは涙ぐんでしまいそうになる。 「ヒカリが欲しい。どうか私を受け入れてくれ」  青い瞳が、情欲に揺らめいていた。 「あのさ……」 「ん?」  軽く問い返す声さえ甘く、頭の中がどろどろに溶けてしまいそうだった。 「この部屋中、バドルの匂いがするね」  バドルにも聞こえてるのではないかというくらい、ヒカリの心臓はずっと大きく鳴っていた。 「だから俺、この部屋に入った時からずっと、バドルに触れたいって……思ってた」  羞恥から言葉は尻すぼみになる。バドルはこくりと喉を鳴らして、ヒカリに覆い被さってきた。
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