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昔、この辺り一帯には、アドゥリスという王国に統治された村が数多くありました。
しかし、突如現れた魔王率いる魔物の群れに破れ、王国は滅亡。残った村は魔王の統治に変わりました。
いや、あれは、支配という方が正しいかもしれません
魔王軍の許可なしには、村の外には出られない。食事も持ち物も行動も、何もかも魔王の指示に従わなければいけなくなりました。
逆らえば殺される―。
抵抗した若者が、見せしめのように殺され、みな素直に従うことしか出来なくなりました。
いつか、解放される日を、それだけを信じて、村人たちは生きていました。
しかし、その日が来ることはありませんでした。
ある夜、魔物の目をかいくぐり、一人の男が村を抜け出しました。その事は、翌朝には魔王の耳に入ることとなりました。
怒った魔王は、呪いをかけました。男が住んでいた村の全ての建物を宙に浮かせ、そして住民に、一生死ぬことが出来なくなってしまいました。
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