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「おとなしくしろ。足、拭いてやるから」
「うにゃー」
「何だよその声。お前はネコか」
ベッドに転がし、部屋着に着替えさせ、
靴下で蒸れた足の裏でも拭いてやろうと
岸野の脛を持ち上げたら、
意味不明な声を出しやがった。
全く‥‥世話の焼ける奴だよと、
足の裏を濡れタオルで丁寧に拭くと、
寝息を立てる岸野に毛布をかけた。
風呂上がりから時間が経ち、
冷え始めた身体を温めたくて、
俺も岸野の隣に横になった。
しかし今夜は疲れたな‥‥と目を閉じた。
岸野は熟睡しているし、いざとなれば
いつものように羽交締めで防御すればいい。
大丈夫、大丈夫だ‥‥
と、意識が沈下した瞬間、コトが起きた。
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