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精霊に近く、自然からエネルギーを貰っている竜もいるが、竜界の竜は、むしろ世界に近い。だから、生き物から搾取している鬼とは、真逆の存在に近い。
「朽木はいいね。食物などからエネルギーを得ている。鬼も本来、そうあるべきだ」
だが鬼にとっては、食べる事も、精を搾取する事も同じだという。
主な違いは、自分でエネルギーを作り出すか、人から奪うかの違いなのだが、それを教えるのは難しい。
「ここで、人も精を貰うと、もう元の界には戻れないといいます」
「そうかもな……楽を知ってしまうと、臓器は退化する。人の未来は、退化の先ではなく、苦難の末の新機能が良い」
しかし、鬼の場は切り離し易いが、住んでいる鬼が少ないので、単独の界として存在出来るかが問題だった。
「界として独立する時、界は補正をかける。それが、問題」
界は生き物に近い。だから、生きられるように、自分を組み替える。
「自分が生きられるように、界が補正するわけですね」
「どうやったら、生きられると思う?」
界が生き物だとすると、食糧を確保するかと思う。
「人を確保しておく」
「もしくは、人を連れ去る事が出来る、機能を持ち続ける事だな」
それでは、鬼の場を切り離しても、人を攫い続けてしまう。
「そこで、精を吸い上げる事を許す」
「…………そうですね」
それで、人が攫われないのならば、妥協しておこう。
「鬼を殺したいわけではない」
「…………良かった」
鬼と生きられなかったが、それでも殺したいわけではない。だから、鬼が生きられる方法を探してゆこう。
「しかし、凄いな。本当にラブホだ」
「凄いですよ。鬼の夜伽」
すると、中を覗いてきた安在が、顔を青くしていた。竜の性交も半端ないが、鬼は食事としてやっているので、別の意味を持つ。そして、料理を担当している安在は、あの食事が受け入れ難いようだ。
「あの食事はないな……」
「そうですね。俺も嫌です」
鬼を否定するわけではないが、あの食事は嫌だ。
「でも、食事以外は普通の田舎ですよ……」
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