ぺ くるんど

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 私は体を奮い立たせようと、おどおどしながらアキレス腱を伸ばたり屈伸をしたり一通り準備体操を済ませ、見様見真似のクラウチングスタートで発進した。まだそこらへんにいるかもしれないという浅はかな考えで走り出した汽車は、数分ももたずに燃料が切れてしまった。喉からゼェゼェと音が止まらないまま、ゆっくりと歩を進めた私は、いつのまにか通ったことのある歩道に出ることができた。私は「今度迷ったら真っすぐ下りよう」と心に刻みながら駅へ向かおうとした、その時だった。ある人物が目に入った。さっきの男の人だった。男の人は車道を挟んで向かいの道を歩いていた。ある建物の前で立ち止まり、中はするっと入っていった。
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