肆話 まだ始まったばかり

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肆話 まだ始まったばかり

「この静けさにこの異臭は異常だな……」 正直、この世界に転生したばかりで危険に自ら足を踏み込むのは命知らずな気がするがどうでもいい…… 「この道中に血の匂いが残っていた……何かあるとすればこの先だ。四の五の言ってる暇はない。」 そして俺は……その一歩を踏み出した。 林の中は静かだった。異臭は収まる気配がないのに生物の気配がしない……よし試してみるか。 《解析者!》 ヴォン 《カッパーバグの死体 アイアンウォーデンの死体 人間の死体》 やはり死体ばかりだ。異臭の原因は恐らくこの死体だろう……一体何が起きているのだろう。 しばらく解析者使用状態で進んでいると…… 《⚠️忠告⚠️この先に異常生物を察知 推奨レベル60と断定 撤退を推奨します》 ?!この先に何か……いる? 「レベル差が44もある。戦うのは危険だな……だが恐らくこの異変の原因はそいつだろうな……どうするか……」 ここまでくると引き返すに引き返せない……さっきの女の子も見当たらないし、心配だ。 「行くしかないの……か?」 こういう時思い切りがいいのが俺のいい所のはずなのだがこの時ばかりはどうにも決心がつかなかった。 それもそのはずまだ転生したばかり、名前も職業も年齢もわからない。そんな状況で命を脅かす場所に自ら突っ込もうとしているのだ。はっきり言って狂気の沙汰だ。 だが、 それでも、 進まなければ自分を変えることはできないと思った。 「よし、いっちょやるか!」
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