朝七時

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 いつものように祈っていると横から視線を感じて目を開く。視線の元を追うと、横に同じように屈んで、私をじっと見る叶夜さんがいた。 「……なんですか?」  じとっと目を細めて問いただすと、柔らかい笑みを浮かべ、叶夜さんはすっと私の髪を一房とって指に絡ませた。 「いいや。相変わらず綺麗だなと思って」 「は!?」 「綺麗にしてるよな、髪」 「……」  相変わらずこの人は心臓に悪い。叶夜さんはこういう人だ。  私は赤くなったであろう顔を隠すように、意味もなく前髪を整える振りをした。    そんな私を気にする素振りもなく、叶夜さんは立ち上がって持っていた煙草に口をつけて、ふぅっと煙を吐く。 「叶いそうか?」  ふいに顔を向けてきた叶夜さんにドキッとしたのは一瞬。叶夜さんの質問に誤魔化すように私は目を伏せる。 「さあ」   曖昧に答えながら、スカートを整えてそのまま叶夜さんに背を向けた。  朝七時。私たちは毎朝この祠に祈りを捧げている。  
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