初めての朝

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「恥ずか死ぬ……」 「だーいじょーぶ、慣れたら恥ずかしくないよ。今日はもうからかわないから安心して。とりあえず、俺、これからどこで過ごせばいいかな? 空いてる部屋とかある?」  あ、リカルド、これ以上私が恥ずかしがらずに済むように、ほんとに話題変えてくれた。ちゃんとそういう限界はわかってくれる人なんだ。よかった。 「リカルドの部屋、私の仕事部屋の隣でいい? この家、そこそこ広めだけど、一人暮らし用だから、部屋数あんまりなくて」 「もちろんいいよ。部屋もらえて助かる!」 「しばらく暮らしてみてリカルドが不便だったら、引っ越しも視野に入れよう」 「荷物少ないし、大丈夫だと思うけど、ジュリエッタが俺のこと考えてくれて嬉しい! ジュリエッタ、ほんと優しいね! めちゃくちゃ可愛いし、大好きだ!!」 「……今日はもう、からかわないんじゃなかったの?」 「へ? からかう? そんなつもりじゃなくて、ほんとにそう思ったから言っただけだけど?」  リカルド、きょとんとしてる。  前言撤回。私はこれから、テンション高い天然褒め口説き系男子の口撃から、恥ずか死にせず生き延びられるだろうか。
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