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初めての朝
「ん……」
目覚まし時計を見ると、もう九時近い。そっか、今朝は目覚ましかけてなかった。だって、昨日、私の運命の人が来ることになってて……。
ふと横を見ると、リカルドがにこにこしながらこっちを見ていて、一気に目が覚める。
「おはよう、ジュリエッタ」
「お、おはよう……」
昨日の夜のことを思い出すと、なんだか照れるというか、顔を合わせられない。思わずそのままふとんに潜ってしまった。
「ジュリエッタ、照れてる。可愛いなあ!」
そう言うとリカルドもふとんに潜ってきた。わああ。
「なんでリカルドも潜ってくるのお……!」
「照れてるジュリエッタをもっと見たいから」
「だ、だって……。照れるよう! こんなの、初めてだし」
「そうだね。初めての朝だね」
そう言うと、私を抱きしめてきた。ちょ、お互いまだ裸ですよ! 動いたからふとんがはがれて身体も顔も丸見えですよ! 生々しいよ! わああああ!
「どきどきするよ!」
「俺も!」
「なんで、抱きしめるのお……!」
「だって、こんな無条件にいちゃいちゃしていい朝なんて、もうないと思うし!」
「え?」
「ん?」
「これからもずっと一緒に過ごすんだから、別に、もうないこと、ないよね?」
そう言うと、リカルドは一瞬目を見開いて、げらげら笑いだした。
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