修理

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 しばらく黙っていたリカルドが、ぼそりと言う。 「この袋、修理は無理だろうから、もう別のものを買おうかな、と諦めかけてたところで……。直っただけじゃなくて、母ちゃんとジュリエッタが協力して作ってくれたみたいになって、俺…………すごく、すごく、嬉しい……」 「そんなに、嬉しかったの?」  訊ねると、リカルドは静かにこくりとうなずいて、ゆっくりと私を抱きしめた。  いつもあんなににぎやかでよくしゃべるリカルドが、黙りこんでしまった。 「嬉しかったならよかったけど……」  リカルドが抱きしめる腕に力を込める。私もそっとリカルドの背に腕を回し、応える。  いつまでも抱きしめ続けるリカルドに対して、これ、どうやって抜け出したらいいのか……と、ひそかに悩んだのは内緒だ。
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