母とのこと1

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その日は部活で帰りが少し遅くなってしまった。 「ただいま〜!」 「お帰り」と祖母のハナが出てきた。 「ただいま。おばあちゃん」  出てきたのが祖母で少しほっとするのもつかの間、母が現れた。 「お帰りなさい。菜美子。部活だったのね?」  菜美子は少し棘のある言い方にムッとする。 ――そんな言い方しなくたって! 「ちょっと、話があるからいらっしゃい」 「はい」 ――きっと、絵のことなんだろうな……。  菜美子は母に付いて行き部屋に入り、ドアを閉める。  テーブルごしに向かい合って座ると、母が口を開いた。
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