序章

5/5
前へ
/208ページ
次へ
「行きましょう。そろそろ辺りも暗いですし。寒いですから」 「はい、よろしくお願いします!」と私は勢いよく頭を下げる。 「こちらこそ。……それはそうと、僕達まだ自己紹介していませんね? 僕は崎本治弥(さきもとはるや)と言います」 「私は高須原菜美子(たかすはらなみこ)です」 「少し歩きますが大丈夫ですか?」 「大丈夫です!」  元気良く答える菜美子を見て治弥は微笑む。    治弥と歩きながら菜美子は思っていた。これから先どうなるのか。まさか過去へ来るなんて……。こんなありえないこと全部、夢の中の出来事のようで。  ……いっそのこと、夢なら良いのに……。  心の中でつぶやきながら菜美子は治弥と崎本家へ向かって行った。
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加