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数日前1
数日前のこと、菜美子は部活のない日の放課後、男子生徒に呼び出されていた。人気のない校舎裏に見覚えのある顔がいる。
「高須原さん!」
相手は気付くと菜美子を笑顔で出迎える。彼は浅黒い肌に短髪でスポーツ少年と言った感じだ。
「高木君?」
「いや、高井だよ……」
「え? ごめん、高井君」
「いや、まさか名前をちゃんと覚えられていないなんて」
高井はため息をつき、菜美子の方へもう一度顔を向ける。
「改めて、来てくれてありがとう」
「いいえ」
「同じクラスだし、名前位覚えていてくれていると思ったんだけど……」
「だから、ごめんなさいって」
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