新年度三日目、それは運命の日!?

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 *  わたしの名前は、矢木沢陽菜(やぎさわはるな)。この四月、小学五年生になったばかり。  見た目は普通、学力普通、まあ、どこにでもいる普通の女の子って感じかな?  趣味は、絵を描くこと、それから、おいしいスイーツを食べること!  わたしが通う峰山小学校では、三年生と五年生でクラス替えがある。  一年生からずっと一緒だった大親友の亜香リンとは、今年は別のクラスになった。  わたしは、五年二組。亜香リンは、五年一組。  新年度初日のショックなできごとがそれ……。  校庭での学級指導が終わったとたん、亜香リンがわたしのところへかけてきた。 「陽菜―っ! 別のクラスになっても親友でいてねー!」 「当たり前だよー! わたしと亜香リンの友情は永遠だよー!」  二人でハグして、思いっきり友情を誓い合っちゃった。  わたしたちを見てクスクス笑っている子もいたけど、気にしないもん!   どうせ、あなたたちにはこういう友だちがいないから、うらやましいだけでしょ?  二日目は、新しい教室での座席も決まって、本格的に五年生の生活が始まった。  担任は、雨宮璃奈(あめみやりな)先生。わたしたちは、先生がいないところではリナタンと呼んでいる。  新卒でこの学校へ来て、今年で四年目。  リナタンは、去年もわたしの担任だったのだけど、高学年は初めてだから、すごく緊張していると自己紹介で言っていた。  新学期に緊張するのは、子どもだけじゃないんだね。  そんなこんなで迎えた三日目――。  五年二組は、二時間目の学級活動で委員会を決めることになっている。  絶対にゆずったり、えんりょしたりしないぞ!  じゃんけんでも、くじ引きでも、今日は負けないもんね!  強い決意で、学級活動の時間の学級会に参加したんだけどさ……。
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