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でもどうしても突っかかるのが
「本命」
その言葉。
「…どんな子、でした…？」
色々押し殺して言葉を紡いでみる。
それすればまたちょっと首を傾げる谷さん。
「俺があれこれ言っていい立場じゃない、」
「……」
そこは是非とも教えて欲しいところなのに。
無意識に頬を膨らませると
「でも東がベタ惚れなのは確かだから自信持って、これからも手綱しっかり握っとかないとダメだよ？」
言われるのは耳を疑うようなこと。
慌ててガン見してしまうとさも余裕そうに笑われた。
「だってゆうちゃん東に遠慮してる感じするから。」
遠慮。
「何様って感じだけどもっと尽くされちゃっていいんだよって言いたいかな。」
彼も彼でおかしい。
でも友人も友人で……
「…そぅ、ですかね、」
わからなくなって小さく呟く。
でもだ。
谷さんは私たちの関係を知らない。
「うん。」
そして、彼がなぜわざわざ私を会社の人たちにまで紹介したのかは全く謎で。
優しい顔をする谷さんに罪悪感を覚えるのは事実。
これも「私で人生を楽しくするため」のひとつなのだろうか。
「悠宇さんは、」
耳心地の良い男の声を思い出してなにかが溢れそうになる。
「どんな人ですか？」
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