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第2話 僕のせいだ…
そんなときに、僕は人生を大きく変える2人の友達に出会った。
その2人も僕と同じ嫌な環境で過ごしてて、そこがちょっと通じあったりして、お互いの愚痴とか話し合ってた。
「あ、僕って1人じゃなかったんだ!」
って初めてそう思ったのがこの時だった。
僕は、小学生ながらに
「自分の家ってちょっとおかしいのかな」
って思ってた。
でも違った。
僕と同じ人がこの世の中には、たくさんいるって気付かされた。
僕とは違う普通の人がとても羨ましい何度も何度も思ったし、普通の人に自分の家の事情を話す事が僕にとっては怖かった。
自分と同じような恵まれない家庭環境の人がいるって知って僕は、しょうもないけど嬉しく思えた。
でも、こんなに嬉しい気持ちはあっという間に消えてってしまう。
実は、その2人の友達が病気だった。
1人は白血病で、もう1人はガンだった。
僕は、2人はいつか死んじゃうんだって事だけは分かってた。
その時、
「なんで、死ぬのは僕じゃないんだろう」
ってずっと考えてた。
その2人のうちの白血病の子は、彰人って名前の優しい人だ。
僕が小学6年生の時に彰人の病気が悪化した。
薬とか治療とかもろもろで髪の毛とか抜けたりしてた。
そんな時に彰人から、
「髪の毛なくて可愛くないでしょ」
って言われた僕は、
「そんなことないよ」
しか、言えなかった。
それしか、言えなかった理由なんて僕だって分かんない。
でも多分、何か言ったらそれがマイナスになっちゃって病状が重くなるんじゃないかって怖かったんだと思う。
「彰人が死んじゃったらどうしよう」
って気持ちでいっぱいだった思う。
そんなある日、彰人から電話がかかってきた。
あの時は、いまでも忘れられない出来事だったと思う。
「俺、死のうと思ってる」
と言ってきた。
僕の頭の中は、真っ白になった。
彰人にどんな言葉をかけたらいいのか、分からなかった。
僕が混乱してる中、彰人は話を続けた。
「病気に負けて死ぬのは嫌だから、だったら自分から死を選んで、病気に勝ちたいんだ」
そう電話で僕に言ってきた。
僕は彰人に何も言えなかった。
だって、「生きて」って言うのは彰人にとっては残酷なんじゃないかって思ったんだ。
だから、
「そっか」
しか言えなかった。
彰人の背中を押すことしか僕には出来なかった。
それが、後に後悔をするんだって頭では分かってた。
分かってたけど、もう何にも分かんなくなってきたんだ。
僕自身も幸せって何か分からなかった。
僕との電話が終わったその後、「彰人が自殺を図った」と彰人の両親から知らせを受けた。
なんとか、彰人の弟がギリギリで助けてあげられたらしい。
「彰人は死のうとしたけど、助かった」
と分かった時、僕は安心したのと後悔などで膝から泣き崩れた。
そして、その後病状も回復して、無事に退院出来たらしい。
(もし、僕が止めていれば……)
そんな気持ちが次々と込み上げてきた。
でも、後悔してももう遅い。
あの時僕が止められなかったこと、もし弟さんが助けててあげれなかったら、生きている人生を僕が…って思うと、とても怖かった。
今では、彰人はどこかで楽しく過ごしてると思う。
でも、僕は彼に連絡は一生とれない。
「彰人が今もこれからも幸せでありますように」
そう願うばかりだ。
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