子供にはあたりまえ

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 猿面が言う。ケイタは息を止めて、その面を、読み取れない面を探ったが、何を考えているか、わからなかった。  猿面が、静かに怒りを内部にためたかのような抑揚のない声で続けた。 「己の魂の器もかえりみず、身勝手な自己実現の手段として神と繋がる力を欲した日野原清香の、さらなる末路を君と一緒に見届けようか」  川底の水がゆっくり流れて、場面が変わる。
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