子供にはあたりまえ

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 輝きが遠のき神圧が消え去った瞬間、ケイタは地面に倒れ込んだ。  ならの禊川のせせらぎが聞こえ、ケイタは体中の力がようやく抜けた。  壬申が手をさし伸べて、ケイタを立ち上がらせた。 「君たちを帰らせなければならない頃合いだ。あの二人がいる、森の出口付近まで送っていく」  先に立って歩きだす。  来たときと同様に、両脇の石燈籠が淡く道を照らした。  壬申が手に持ったホウズキの枝をケイタに渡してくる。 「この枝は君にあげよう。この灯りが導いてくれる。あの二人と合流したら、この世界を抜けるまで振り返らないように。声が聞こえたり足音が近づいたら、このホウズキの実をひとつずつ、後ろになげろ。ここまではわかったな?」  ケイタの顔を覗き込む。 「そして現世に辿り着いたら、一人にひとつ、ホウズキの実を飲むんだ。失われた君たちの元の力とは別の形で、補ってくれるだろう。それがどんなものかはわからない。君たち子供の未来に光を灯してくれるだろう」 壬申から枝を受け取って、ケイタは 「この実を飲んだとしても、元には戻れないのか?」  と不安を口にした。 「戻らない。我が主様が決めたことだ」
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