子供にはあたりまえ

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 ケイタの行く先を見守るような壬申の気配を、ずっと感じていた。      ※※※※※  颯太は、大地と異界の森の外周から中に入れずに、延々とケイタを探して回り続けていた。そこに神圧が急激にかかり、告げられた言葉を理解したあと、ゆっくり顔を見合わせた。 「オレ、もう幸運がないの?」  先に口を開いたのは大地だ。  それから猛烈に怒っている。 「オレだけ幸運なの? よりによって幸運をもっていかれるの納得いかねぇよ! あーもうオレはこの先、ラッキーなこともないまま生きなきゃなんだぁー……!」  大地が頭を抱えて唸る。 「どうなっちゃうんだよ!」 大地が大声で叫んでいるが、その場に座り込んでしまった颯太は、神圧がかかっていたときの、不思議な感覚を追っていた。  頭の芯が凍てつき、脳の内部で立体的に組まれ、立ち上がってゆく言葉に理解はあとからついてきて、まるで魂へ入り込まれたような……直接、触れられたような、あの感覚が離れない。 「……おい、颯太!しっかりしろよ!」
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