80人が本棚に入れています
本棚に追加
お兄さんの一方的な質問攻めが終わると、お兄さんと亮は一緒にリビングに戻った。
結衣は亮の顔を見るなり顔を真っ赤にしながら
テーブルに座っていた。
そして、亮が隣りに座ると、すかさず
亮の手を握ってきた。
もちろん、母親にもお兄さんにもバレない所で。
「んじゃあ、俺はもうそろそろ」
そう言いながら、亮は席を立った。
「あら、帰るの?亮君」
「はい。
もう昼過ぎたので」
「そう。
じゃあ、また遊びに来てね」
「ありがとうございます」
亮はまた、お母さんに軽く頭を下げた。
「じゃ、失礼します」
そう言いながら、亮はリビングを出ようとした。
「待って、亮!」
結衣は亮の後を追いかけて、
一緒にリビングを出た。
「ねぇ、亮…」
「何?」
「今度、いつ逢える?」
結衣はモジモジしながら、亮に聞いた。
「そうだなぁ…
早くて、明後日の登校日かな?」
亮と結衣の学校には、夏休み中に登校日がある。
別に、それは一日だけで、しかも午前中に出席を取れば後は自由だ。
「じゃあ一緒行こうね?登校日」
「うん。
じゃあ、明後日俺が迎えに来るけん
時間は…9時でいい?」
もう、靴を履き始めた亮は結衣に聞いた。
「うん。わかった笑”
待ってる笑”」
亮が靴を履き終わると、結衣はいきなりキスをした。
「ちょ、結衣?」
「昨日はありがと」
「〃」
亮は恥ずかしくなったのか、下を向いたまま「ん」っと答えて、帰った。
その日二人はメールをしたが、そういう話しにはならず、
約束の登校日の朝が来た。
最初のコメントを投稿しよう!