それは、恋の始まり

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 今日は、私のお家……北原家が主催している社交パーティーの日。だから、普段うちが取引している会社や、政府関係者など、大勢の偉い人達がうちのお屋敷に集まっていた。  私、北原春花も、北原グループ社長の娘として、その人達とお話したりしてたんだ。  礼儀正しく、失礼のないように……愛想笑いを浮かべて。 「本日は社交会に招待してくださって、ありがとうございます。北原社長」 「吉岡様。こちらこそ、お越しくださいましてありがとうございます」  私の隣で、お父さんが小太りの男の人とお話してる。  吉岡さん……たしか、警備会社の社長さんで、うちのお得意様だよね。  北原グループは、護身用の武器を開発している大きな会社なんだ。だから、そういう武器を扱う人達との繋がりが強い。  昔に比べて治安が悪化している現代において、うちの会社の需要は大きいものなんだよね。一大企業はもちろんのこと、小さな会社も、政府も、北原グループの存在を重要視している。みんなが私たちに期待しているんだ。  だから、失礼なことがあっちゃいけない。会社の顔に泥を塗らないように、気をつけなきゃ。
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