その夜 ※

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 ロレシオは身もだえするエルゼの秘所に指を添わせる。  その指はどこまでも丁寧で、まるで怯える子猫をあやすような手つきだった。指の腹で何度かやさしく縦筋を撫でると、ぴっちりと閉まっていた花弁がぐずぐずと蕩け始める。まるで、触られるのを今か今かと待ち望んでいたかのように。  秘裂をなぞっていた指が、慎重にゆっくりとその場所を拓いていく。中にたまっていた蜜が、とろりと溢れてシーツを濡らした。 「あっ……!」 「……濡れているな」  ふっと目を細めたロレシオは蜜を指の先で掬い、入り口を撫で、敏感な部分を探り当てる。すっかり尖った花芯に触れられると、エルゼは声にならない悲鳴をあげた。 「あっ、……ああっ、ああ――っ……!」 「ここか。君は分かりやすい」  ロレシオの右手が、恥核の根元の部分を優しく擦り上げ、しこった部分をぐにぐにと潰し、指の先ではじく。その手は、エルゼの感じる場所を身体の隅から隅まで全て知り尽くしているようだった。 「ああっ、……あっ……ああぁっ!!」
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