夜の帳に星の降る ※

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夜の帳に星の降る ※

 ロレシオはぐったりとしたエルゼをシーツに横たえ、そろそろと身体を離す。彼の額には、玉のような汗が光っていた。 「……これで、挿入する準備はできただろう。この先まで君を求めても、許してくれるだろうか」  優しく問う低い声は、余裕なく掠れていた。  さきほどから、布越しでも十分にわかるロレシオの股間のこわばりに、エルゼもうすうす気づいていた。この状態がロレシオにとってかなり苦しい状態であることくらい、エルゼでも容易に察することができる。  エルゼは胸辺りできゅっと手を握ると、しっかりと頷く。 「……は、はい」  エルゼが頷いたのを見たロレシオは、やや荒々しい動作でガウンと下穿きを脱ぐ。引き締まった身体が薄明りに照らし出された。胸や肩にある古傷が、うっすらと朱に染まっている。  そして何よりエルゼの視線を奪ったのは、身体の中心でそそり立つ剛直だ。  初夜に穿たれた熱を思い出し、エルゼはこくりと喉を鳴らす。ソレを一度きり受け入れた場所が、はしたなくぬかるんでいる。 「エルゼ、……ああ、エルゼ」
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