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「……もう、十分に捧げてもらいました。貴方の人生は、イヴァンカのためにあったようなものだから……。だからもう、これ以上捧げるのはやめて……」
「まだ、足りないんだ。次はエルゼのために生きる。前世の分まで君を甘やかして幸せになってもらわないと……」
ロレシオはエルゼの唇を奪う。エルゼの頬に涙がつたった。
一人の孤独な騎士の愛がようやく結実し、一人の愛されることを諦めていた孤独な女の魂が、満たされ、癒えていく――……。
「もう十分すぎるほど幸せです」
溢れる涙をそのままに、エルゼは愛しい人の胸板に頬を寄せ、そのまま目を閉じた。
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