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「まあ、問題は美々パパか」
「そ、氷空くん?!
本気ですか?」
「うん?
美々と住む気だけど?」
「?!」
美々はまさかの提案に驚いていたが、勿論美々のパパが許す筈もなかった。
それから、卒業式の日。
式の後屋上で氷空は紫生にそんな出来事があった事を話していた。
「やっぱ、ダメだったか」
「うん、泣きそうだけど…
取り敢えずは付き合うのは許可してくれた」
「マジか?!
スゲーな」
「変なことするなって言われたんだけど…
変なことって何さ?」
「プッ
純情乙女か、お前は」
「紫生は経験あんのかよ」
「うーん?
小学生の時キスはしたかな」
「マセガキじゃん、紫生」
「まあ、兎に角さ?
キスはオッケーじゃないか?
子供でも出来るって」
「え?
キスしたら子供出来るんじゃ?」
「んな訳ないだろ!
どんな迷信だ」
「え?
俺、そう思って信じてたんだけど?」
「お前、それ言うなよ?
恥ずかしい奴って噂になるから」
「そ、そうか…
わかったよ」
氷空がそんな風に返すと、紫生はニッコリ微笑むとこんな事を尋ねる。
「氷空、美々ちゃんの誕生日聞いた?」
「!
知らないし、聞いてない」
「ふぅん?
美々ちゃんの誕生日は5月だって、純麗さんが言ってた」
「マジ?!
もう、2ヶ月ないじゃん」
「プッ
慌てなくても、最後の日だって言ってたよ」
「31日?」
「うん、そう」
「ふぅん?
一日違いじゃん」
「あっ!
氷空、30日だっけ?」
「うん、ビックリ」
「なら、一緒にお祝いすれば?」
「うーん?
でも、親父さんがだな」
「美々ちゃんの家に泊まるのはどう?」
「大胆だな、それは」
氷空は紫生の提案に少しだけ微笑むと、美々が扉を開けて入ってきた。
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