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「行ってらしゃい、美々」 純麗がそんな風に見送っていると、紫生は目の前でお弁当を用意して待っていた。 「紫生くん、どうしたの? 何かお願い事かしら?」 「恋人らしく食べさせ合いをしたい」 「ふぅん? 餌付けね」 「ち、違う! 恋人だから」 「ふふっ 仕方ない子ね? ちょっとだけよ」 純麗と紫生の様子を女子達は見ていたが、チョコレートを紫生に渡したいようなのだ。 「星宮くんも紫生くんも随分人気よね?」 「なんすか、いきなり?」 紫生はおかずを食べさせて貰いながら訝しげな顔をしていたが、純麗はニッコリ微笑むとこう言った。 「紫生くん、他の子からチョコレート貰う気?」 「へ? 何でそんな事聞くんっすか?」 「だって、私彼女なんでしょ? 彼女からのチョコレートだけで十分じゃない」 「…! くれるんですか?」 「紫生くんがちゃんと断ればね?」 純麗はニヤリと微笑むと、紫生は嬉しそうに頷いていた。 それから、午後の課外授業では暗闇体験が行われていてその実体は恐怖体験であった。 「うぅ… 氷空くん、怖かった」 「うん、お化け屋敷みたいなものだったもんな」 「でも、スクリーンみたいなのでしたね?」 「うん? 実体はなかったけど、怖さは抜群だったな」 「でも、今日はこれで授業は終わりだね」 「うん、一緒に帰ろうな」 「…!」 「美々、何かビックリしてない?」 「氷空くん、その時に渡したい物があるんです」 「美々からなら、何でも欲しいけど?」 氷空はニッコリ微笑むと、課外授業がどうやら全員終了したので帰れる事となった。 「星宮くん、チョコレート受け取って下さい!」 「宇佐美くん、チョコ受け取ってください!」 四人が帰ろうとしていると、女子達が二人にそう口を揃えて言ってきた。
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