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「ごめんね、君たち?
本命以外欲しくないんだ」
「俺もごめん?
好きな子のしか要らない」
二人がスッパリそう断りを入れていると、純麗と美々は何となく照れくさい。
「美々、帰ろ?」
「あ、はい」
「純麗さん、何処か寄りますか?」
「じゃあ、家来る?」
「…?!
いいんですか?」
「渡すものあるから、それあげるだけよ?」
「そ、そうっすよね」
四人がそんな風に会話しながら帰っていると、クラスの女子達は残念そうにチョコレートを自分で食べていた。
「美々、渡したい物って?」
「あっ…
公園のベンチに座りませんか?」
「でも、外寒いよ?」
「あ、でも…」
「なら、一時避難として家に来ない?
美々が風邪引いたら大変だし」
「えっと…
でも、いきなり伺うのは悪い気が…」
「いいから、来て?
寒いの苦手だろ」
氷空はそう告げると、自分のマンションまで美々を連れて行くと上がらせていた。
「お、お邪魔します?」
「どうぞ?
まあ、誰も居ないけどな」
「そ、そうなんですか?」
「うん?
俺、1人で住んでるからさ」
「嘘?!
まだ中学生ですよ?」
「もうすぐ高校生だから、一人暮らし始めろってさ」
「じゃあ、ずっと一人なんですか?」
「嫌?
始めたのは3ヶ月ぐらい前ぐらいかな?
美々が転校してきた日の前日かな」
「そうだったんだ」
美々は何となくシュンとなっていたが、足元に茶系の猫が居て顔が綻んだ。
「可愛い!」
「フッ
可愛いって雄なんだけど?」
「性別なんて関係ないよ?
可愛いもん」
美々は猫を抱き抱えると、首の辺りを撫でていた。
「ふふっ」
「俺は美々を可愛がりたいな」
「へ?」
美々がそんな発言にビックリしていると、氷空は靴を脱がせると抱き抱えソファーまで運んだ。
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