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「…!」
「軽いな、相変わらず」
「えっと、何で運ぶんですか!」
「だって、そいつに構うから詰まらないんだもん?」
「可愛いじゃないですか?」
美々がムッと拗ねていると、氷空は隣に腰掛けるとニッコリ微笑むとこう尋ねる。
「で?
渡したい物ってくれないの?」
「…!」
「早く出さないと誘惑しちゃうかもな~」
「わ、わかりましたから」
美々は鞄からチョコレートの箱を取り出すと、氷空に手渡した。
「フッ
美々から、欲しかったから嬉しい」
「…あの?」
「何?」
「…私、氷空くんが好きです」
「ふぅん?」
氷空はそんな風に返すので、美々は首を傾げながら困惑顔をしていた。
「まさか返事まで用意してるとはビックリした」
「え?」
「だって、返事はまだかと思ってたしさ?」
「どうして?」
「卒業までは待つ気でいたからね?」
「そうだったの?」
「…うん?
でも、嬉しいからどうでも良くなった」
「氷空くん、すっごい嬉しそうな顔してる」
「嬉しいから仕方ないじゃん?」
氷空はニッコリ微笑むと、ギュッと美々を優しく抱き締める。
「美々もここに住む?」
「ふぁ?」
「何てな?
まだ未成年だからダメか」
「…氷空くんがどうしても1人で寂しいなら住んでもいいかな」
「?!」
「ふふっ
でも、きっと家のパパが反対するからダメですね」
美々が諦めたようにそう告げると、氷空は真顔でこう尋ねる。
「美々さ?
本当に住む?」
「え?
でも、未成年だから無理って今…」
「家の親達だけど…
このマンションの違う階に居るから何かあっても大丈夫だよ?」
「へ?」
美々がそんな発言にビックリしていると、氷空は尚もブツブツ話し出していた。
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