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「氷空くん、ここに居たんですね?」
「美々、どうしたの?」
「えっと…
あっ!
紫生くんも居たんですね?!」
「ふふっ
美々ちゃん、氷空しか見えてなかったんだね?」
「ごめんね?
氷空くん、写真撮ったりしませんか?」
「うん、いいよ?」
氷空はニッコリ微笑むと、美々の手を握ると階段を降りていくので紫生はフッと笑う。
「紫生くん、何笑ってるの?」
「純麗さん?!
いつの間に居たの?」
「美々と一緒に来たけど、扉の内側で待機していたのよ?」
「ふぅん?
純麗さんは何か用があるんですね?」
「それ、貰える?」
純麗は制服の第二ボタンを指差すので、紫生はフッと微笑むとギュッと抱きついた。
「紫生くん?」
「ボタンより、本人の方が良くないですか?」
「そ、それは…」
「純麗さん、目閉じてくれない?」
「な、何?」
「いいから閉じて」
紫生がそんな風に囁くので、純麗はギュッと目を閉じる。
「開けていいですよ?」
「な、何?」
純麗は何となく自分の身の回りを見たが、左薬指を見るとハッとなった。
「これって…」
「今日はホワイトデーなんですよ?
それと、クッキーもありますよ」
「あ、ありがとう?」
純麗は思わぬサプライズにビックリしていたが、ニッコリ微笑むとギュッと抱きついた。
勿論、同時刻に氷空もホワイトデーのお返しにネックレスをプレゼントしていた。
「美々にはチョコレートにしてみた」
「ふふっ
ありがとうございます」
「で?
写真は撮れたけど、何かお願いあったんじゃない?」
「氷空くんのピアスが欲しいです」
「美々、開けてないじゃん?」
「だ、だって…」
「じゃあ…
片方は使ってないから、今度渡すな」
氷空がそんな風に告げると、美々も嬉しそうに頷くのだったー。
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