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「え?
くれんの?」
「はい?
こんなの使うのはお嫌いですか?」
「嫌、そんな事はないよ?
ありがとう?」
「氷空くんは読書が趣味?」
「あ、うん?
美々ちゃんは手芸が好き?」
「後、天体観測が趣味です」
「ふぅん?
星が好きって事か」
「氷空くんは嫌い?」
「嫌?
特には好き嫌いはないけど…」
「そうですよね?
でも、好きな事があるのはいい事ですよね」
美々はそう告げると、もう1度ニッコリ微笑むとまたビーズ作りを始めたので氷空も読書を再開したが隣が何となく気になる。
「美々ちゃん、友達作んないの?」
「…!
そ、そうですよね」
「まあ、この時期に転校してきたらちょっとムズいか」
「うん、そうですね」
「じゃあ、俺が友達になってあげようか?」
「え?
氷空くんがですか?」
「うん?
まあ、男友達になっちゃうんだけど…」
「ううん?
嬉しいです。
ありがとう?」
初めての会話はこんな感じだったが、日に日に美々から目が離せなくなっていく。
「氷空くん、ごめんね?
重いでしょ?」
「嫌、平気だけど?
美々は脚痛くない?」
「…少しだけ痛いけど、大丈夫」
美々は遠慮がちにそう告げるが、保健室に到着すると保険医が不在だったので氷空が手当をする事になった。
「ちょっと沁みるかもな?
美々、我慢出来る?」
「氷空くん、何か悪戯っ子みたいな顔になってますよ?」
「フッ
怖がってる美々が可愛いから、つい」
「もう、意地悪しなくていいの」
美々はプクッと頬を膨らまして拗ねていたので、氷空は消毒液の付いた脱脂綿をわざと当てた。
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