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「そ、氷空くん?!」 「ふふっ ビックリした?」 「いきなりしないで!」 「ごめんごめん? 美々、怒んないでよ」 「もう、氷空くんは!」 美々はまたプクッと頬を膨らまして拗ねていたので、氷空は両頬を風船みたいに割ってみた。 「…?!」 「さて、ちょっと我慢してよ? 痛くしないから」 氷空はそう告げると、消毒液で患部を丁寧に処置すると大きめの絆創膏を貼り付けた。 「よし、これで黴菌入んないな」 「あ、ありがとう?」 「お礼してくれる?」 「へ? 今、言ったと思うけど?」 美々が驚いた表情で見上げていると、氷空は真顔になると近づいてきた。 「そ、氷空くん?」 「美々、髪の毛乱れてるよ? やってあげる」 「じ、自分で」 「いいから、髪留め渡して?」 美々は大人しく髪留めを手渡すと、氷空は後ろに回ると器用に髪を結っていた。 「…あ、ありがとう?」 「美々って、好きな奴居る?」 「す、好きな人?」 「うん?」 「えっと、特には居ないですが?」 美々が素直にそう告げると、氷空はニッコリ微笑むとギュッと後ろから抱きついてきた。 「な、何事ですか?!」 「ハグだけど?」 「な、何故そんな事を」 「お礼してって言ったでしょ? 今、貰ったトコ」 「そ、そうですか」 美々がいきなりの出来事にビックリしていると、氷空は首筋に軽くキスしてくる。 「ひゃ?!」 「フッ ビックリした?」 「な、何して?!」 美々は口をパクパクさせながら飛び逃げたが、氷空はニッコリ微笑んでは愉しそうにしている。
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