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「紫生、重いんだが?」 「氷空! 美々ちゃんと何してたんだよ」 「何って… 手当てをだな」 「とか言って… イチャイチャしてたんじゃないか!」 「まあ、否定はしないが?」 氷空がそんな風に真顔で答えると、紫生は固まっていたが美々は真っ赤になっていた。 「美々、お帰り? 怪我大丈夫?」 「純麗ちゃん、ありがとう? 大丈夫です」 美々がそんな風に答えると、神城純麗は奇麗な顔で微笑むと耳元でこう囁く。 「星宮くんとラブラブ中だったんでしょ? キスした?」 「キス?!」 「うん? 違った?」 「してないです。 ラブラブも違うと思うし…」 「仲良しなのに?」 「…告白はされたんですけど」 「あら! それはまた新展開ね」 「純麗ちゃん、愉しそうにしないで?」 純麗が美々を独占していると、氷空は美々の手を掴むと隣の席に座らせた。 「氷空くん、どうしたの?」 「美々の事は俺が独占するんだよ?」 「…えっと、それはどういう意味?」 「美々、教科書忘れたから机くっつけていい?」 「え? いいけど、独占って一体?!」 美々が机をくっつけて隣に座ると、氷空はギュッと手を握るとポケットに突っ込んでいた。 「ふふっ ラブい」 「純麗ちゃん、あの二人ってもう付き合ってるの?」 「紫生くんったら気になるの?」 「俺の親友だから、そりゃね」 「星宮くんが告白したみたいよ?」 「マジか… 氷空、やっぱ好きなんだな」 「だって、最近の星宮くんの独占欲と来たらモロバレでしょ?」 「恋は盲目か…」 「紫生くんは恋しないの?」 「…俺はえっと?」 「ダブルデートはどうかしら? 更なる新展開を追求すべく」 純麗が愉しそうにそう告げると、紫生は疑問げにこう尋ねる。
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