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私は高校2年の美咲。
両親二人が特殊能力を持っていて、もれなく私にもその能力が遺伝していた。
私の能力というのが【人間以外とも会話ができる】というもの。
幼い頃から両親には[その能力をむやみに使わないように]と言われ続けてきた。
そんなある学校帰りの事、どこからか『誰か〜』というお婆さんの声が聞こえてきた。私は「お婆さんの声聞こえたでしょ?とっても困ってそうだから一緒に探してくれないかな」と近くの塀にいた三毛猫に話し、お婆さんを探す事にした。
すると急にその三毛猫が走り出し、私も走って追いかける。と歩道に倒れこむお婆さんを発見。三毛猫はそのお婆さんに向かって鳴いている。
そのお婆さんに「どうしましたか?」と尋ねると『若い男にハンドバックを盗まれた』とヒザをさすりながら指を指している。
お婆さんに「私が絶対バックを取り戻しますから待っていてください」と言い、三毛猫にお婆さんの腕の匂いをかがせた。「今度はひったくり犯を追ってくれるかな」と三毛猫に言うと、三毛猫は歩道に残るひったくり犯の匂いをかぎながらお婆さんが指指した方向へとゆっくりと進み始めた。
私はその場所からすぐのごみ箱にいた茶色の猫からひったくり犯の特徴を教えてもらった。
その特徴というのが、黒い帽子をかぶり、細い目で黒いマスクをした赤いスニーカーを履いた男。身長はそれほど高くなく、左足を少し引きずっているそうだ。
三毛猫にもその情報を伝え、ひったくり犯を追った。
私は野良猫を見つけるたびにひったくり犯の特徴を伝え、野良猫達の目撃情報で徐々に距離を詰めて行った。
「いち、にの、さん!」という合図と同時にたくさんの猫がひったくり犯に飛びかかった。
というのも、今まで話しかけてきた猫達が『そんな事なら協力するよ』と言ってくれたので、私が合図を出し無事にひったくり犯を捕まえる事ができた。
協力してくれた野良猫達みんなにお礼を言いながら、常に持ち歩いている少しお高めのキャットフードを振る舞い、そしてその後はお婆さんの元へハンドバックを返しに行った。
もちろんこの事は両親にはナイショ!
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